最終更新 2026-08-28/出典:Dubai Land Department(Dubai Pulse オープンデータ)の全件集計
「もう高すぎるのでは」「バブルではないか」——ドバイ不動産についてよく聞かれる問いです。ここでは価格・賃料・取引量・供給の4つの面から、2026年8月時点の現在地をDLDの一次データで確認します。結論を押しつけるのではなく、判断に必要な数字を並べます。
DLDの住宅価格指数(2012年1月=1.000)で長期の推移を見ると、月次のピークは2015年5月の1.306、底は2021年6月の1.070で、そこから2024年5月には1.656まで上がりました。底からの上昇率は約55%、前回ピークは2022年半ばに超えています。
成約単価でも上昇は続いており、2025年のAED 1,660/sqftに対して2026年はAED 1,713/sqft。ただし上昇率は+3.2%と、前年までの二桁の伸びからは明確に鈍化しています。
住宅賃貸の年額中央値は、2021年のAED 46,000が底で2026年はAED 65,000。単価では2021年の47.1 AED/sqftから72.7へ上がり、2016年の前回ピーク(69.9)を4.0%上回りました。賃料が前回ピークを超えたことは、価格上昇に裏付けがあることを示しています。
ただし伸びは落ちています。賃料中央値の前年比は2025年が+8.5%だったのに対し、2026年は+2.4%。上昇は続いているものの、勢いは明確に弱まっています。
もうひとつ注目すべきは更新契約の比率が61.7%まで上がっていることです。2021年は44.1%でした。ドバイでは更新時の値上げ幅がRERAの賃料指数で制限されるため、賃料が上がるほど既存入居者は動かなくなります。募集賃料と、実際にオーナーが受け取っている賃料の差は開いていると考えるのが自然です。
直近12か月の住宅売買は177,303件で、前年同期比 −1.6%。2025年通年の190,882件・AED 451億という数字は過去最高水準でしたが、そこから件数の伸びは止まりました。金額ベースでは単価上昇に支えられていますが、「件数が増え続ける局面」は終わったと見るのが妥当です。
取引の中身も変化しています。オフプラン比率は2025年の68.5%から直近12か月で72.9%へ上昇。新築の完成前販売が市場をさらに強く牽引する構図になっています。
DLD登録プロジェクトを集計すると、2026〜2028年の3年間で約24.4万戸の完成が予定されています。過去の年間吸収量と比べれば相当な量です。
ただし重要な内訳があります。このうち実際に着工しているのは約53%で、残りの約47%は未着工です。未着工分は市況が悪化すれば遅延・中止され得ます。裏を返せば、予定どおり出てくれば賃料と価格の両方に下押し圧力がかかるということでもあります。
この「未着工がどれだけあるか」という内訳は、民間の市場予測ではあまり触れられません。エリア単位では、年間の賃貸契約数に対して未完成戸数が数十倍というところもあり、供給の偏りは無視できません。
| 強気に見える材料 | 賃料が前回ピークを超え、価格上昇に裏付けがある/人口流入が続いている/取引金額は過去最高水準/オフプラン需要が旺盛 |
|---|---|
| 慎重に見るべき材料 | 取引件数が前年割れに転じた/価格・賃料とも上昇率が明確に鈍化/3年で約24.4万戸の供給予定/上昇局面が歴史的に長い/過去に50〜60%と25〜35%の下落を経験 |
「上がり続ける」でも「もう終わり」でもなく、件数の伸びが止まり、価格と賃料の上昇が緩やかになった局面——というのがデータの示す現在地です。ここから先は供給の消化ペースと人口流入の継続が分岐点になります。
当サイトは判断材料の提示に徹しており、売買のタイミングを推奨するものではありません。数値はいずれもDLDのオープンデータをこのサイトで集計したもので、将来を保証しません。
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